病院で検査を受けても「異常ありません」と言われる性交痛は珍しくありません。
しかし、原因がないのではなく、通常の婦人科検査では見つかりにくい原因があることも少なくありません。
適切な原因を見つけ、男性セラピストのオイルマッサージで改善するケースは多くあります。
主な原因には次のようなものがあります。
骨盤底筋の過緊張
骨盤底筋が無意識に強く緊張し、挿入時に痛みが起こる状態です。
理学療法(骨盤底筋リハビリ)やバイオフィードバックが有効とされています。
腟や外陰部の乾燥・萎縮
更年期だけでなく、授乳中や低用量ピルの使用などでも起こることがあります。
潤滑剤や保湿、必要に応じて局所エストロゲン治療が検討されます。
外陰痛症(Vulvodynia)
見た目に異常がなくても、触れるだけで痛みを感じる慢性疼痛です。
骨盤底筋リハビリ、薬物療法、カウンセリングなどを組み合わせた治療が推奨されています。
子宮内膜症や骨盤内の病気
深い挿入時に痛みがある場合は、画像検査や専門的な評価が必要になることがあります。
心理的要因
過去の痛みの経験、不安、ストレス、性被害の経験などが筋肉の緊張を強め、痛みを持続させることがあります。
心理療法やセックスセラピーが役立つことがあります。
自分でできる対策
痛みを我慢して性交を続けない。
十分な前戯で自然な潤いを促し、必要なら潤滑剤を使用する。
骨盤底筋を「鍛える」のではなく、「力を抜く」呼吸やストレッチを行う。
痛みが強い間は挿入以外のスキンシップも取り入れ、パートナーと痛みについて共有する。
「病院で治らない」と感じる場合
一般の婦人科では感染症や腫瘍などの異常がないことを確認して終了することもあります。一方で、性交痛や女性性機能を専門に診療する外来では、骨盤底筋の状態、外陰部の痛み、心理的要因なども含めて評価し、多職種で治療を進めることがあります。日本産婦人科医会も、原因が特定しにくい性交痛では性機能外来などへの紹介を推奨しています。
性交痛は「我慢するもの」ではなく、適切な評価と治療で改善が期待できる症状です。特に**「どこが痛いのか(入口・奥)」「いつ痛いのか(挿入時・奥まで入った時・性交後)」**を整理して受診すると、原因の特定につながりやすくなります。



