不感症の世界の現状

不感症(性的刺激を受けても性的興奮やオーガズムを得にくい状態)は、世界中で多くの女性が経験する性機能の悩みの一つです。ただし、「不感症」という言葉は現在の医学ではあまり使われず、主に女性性機能障害や、その一部である女性オーガズム障害などの診断名が用いられます。

 

世界的な現状としては、次のような傾向が報告されています。

 

女性の約30~40%は、生涯のどこかで何らかの性機能の悩み(性欲低下、興奮しにくい、オーガズムに達しにくい、性交痛など)を経験するとされています。

オーガズムに関する悩みは比較的多く、調査によって異なりますが、約10~30%の女性が継続的に「オーガズムに達しにくい」と感じていると報告されています。

臨床的に治療が必要と判断されるケースは、それより少なく、「症状によって本人が強い苦痛を感じていること」が診断の重要な条件です。

 

原因は一つではなく、以下のような複数の要因が重なっていることが多いと考えられています。

 

ホルモンの変化(出産、更年期など)

糖尿病や神経疾患などの身体的要因

抗うつ薬など一部の薬剤の副作用

ストレスや不安、抑うつ

パートナーとのコミュニケーションや関係性

性に関する教育不足や、性的刺激・反応への理解不足

 

近年は世界的に、女性の性の健康(セクシュアル・ウェルビーイング)への関心が高まっており、「治らないもの」と考えるのではなく、原因に応じた支援を受けることが推奨されています。治療や支援には、次のような方法が用いられることがあります。

 

性機能に詳しい婦人科や泌尿器科での評価

必要に応じたホルモン治療や薬剤の見直し

セックスセラピーや心理療法

骨盤底筋トレーニングや理学療法

パートナーとのコミュニケーション改善

 

世界保健機関(World Health Organization)も、性的健康は「病気がないこと」だけではなく、身体的・精神的・社会的に良好な状態であることが重要だと位置付けています。そのため、不感症やオーガズムの悩みは珍しいものではなく、適切な評価や支援によって改善が期待できるケースも少なくありません。

男性セラピストのオイルマッサージが必要とされる要因です。